自宅でネイルサロンを開業できる?賃貸・SOHO可物件の現実と、場所を持たずに始める3つの進め方

ネイルサロンの開業でつまずくのは、手続きではなく物件です。 ネイルは保健所への届出が要らないので、書類の面ではすぐにでも始められます。そのぶん「どこでやるか」の壁に、始めてからぶつかる方がたくさんいます。

この記事では、自宅や小さな部屋での開業を考えている方に向けて、物件の現実と、場所を持たずに始める進め方をまとめます。面貸しの席を借りるときの物件の確認はその面貸しサロン、物件は大丈夫?をご覧ください。

テナント用の物件って、不動産会社さんは既存のサロンをやっている企業に先に紹介してくれるので、一般に公開される前に決まってしまうことが多いんです。

商用利用できるところじゃないとダメなのは原則だと思います。なので、シェアサロンや面貸しは現実的な選択肢だと思っています。

—— Reina(SHARENAIL 代表 / MiNTY NAIL オーナー)

住居用の契約のまま始めるのは、リスクが高い

賃貸の部屋には、契約で**何に使ってよいか(用途)**が決められています。住居用の契約は「住むため」の契約で、お客様を迎える営業は原則として想定されていません。

貸主に黙ってサロンを始めた場合、次のようなことが起こり得ます。

  • 契約違反として、退去や損害の請求を受けることがある
  • 近隣からの苦情で貸主に伝わる — インターホンや廊下の出入り、ジェルの臭い。貸主本人より、近所から伝わるパターンのほうが多いと言われます
  • 万が一の事故のときに、保険の補償が受けられない場合がある — 火災保険などは、申告した使い方と違うと補償の対象外になることがあります

お客様がついたあとで場所を失うと、予約の振り替え、SNSの住所の書き換え、通えなくなるお客様——積み上げたものがまとめて揺らぎます。

SOHO可・分譲マンション・持ち家の場合

SOHO可の賃貸

SOHO可は「自宅で仕事をしてよい」という意味で、人の出入りが少ない仕事を想定していることが多いです。**「不特定多数の出入りは不可」「看板は不可」**といった条件がよく付いています。お客様が入れ替わり来るネイルサロンは、この「不特定多数の出入り」にあたります。SOHO可だから大丈夫、とは言えません。

分譲マンション

貸主の了承に加えて、マンションの管理規約が関わります。住宅専用と定められていて、店舗としての利用が禁止されていることがあります。部屋を買った人が自分で住んでいる場合でも、この規約には従う必要があります。

持ち家の戸建て

貸主の了承の問題は基本的に生じにくい形です。ただし、近所への配慮(駐車、出入りの時間帯)は同じように必要です。

商用で使える部屋が見つかりにくい理由

では最初から商用で使える部屋を探せばいい、となりますが、ここにも壁があります。

  • 商用可の1K・1LDKは、そもそも数が少ない
  • テナント向けの物件は、一般に公開される前に決まりやすい — 不動産会社は、すでにサロンを運営している企業に優先して紹介することが多いためです

不動産会社に「なかなかないですね」と言われるのは、この事情があるからです。個人がポータルサイトで探しているだけでは、良い条件の部屋にたどり着きにくいのが現実です。

物件探しで確認する6項目

候補が見つかったら、契約の前に次の6つを確認してください。口頭ではなく、契約書や重要事項説明の文面で確かめるのが確実です。

  1. 用途 — 店舗(サロン)としての使用が認められているか
  2. 出入りの条件 — 「不特定多数の出入り不可」の条件が付いていないか
  3. 看板・表示 — 表札やポストにサロン名を出せるか
  4. 第三者の使用 — 将来、面貸しで他のネイリストに席を貸すことが認められているか
  5. 管理規約 — 分譲マンションなら、店舗利用が禁止されていないか
  6. 保険 — 火災保険などに、サロンとしての使い方を申告して入れるか

同じ建物にすでにサロンが入っていると心強く見えますが、契約は部屋ごとに別です。隣がサロンだから自分の部屋も大丈夫、とは限りません。

場所を持たずに始める3つの進め方

物件の壁があるからといって、開業をあきらめる必要はありません。現実的な進め方はだいたい次の3つです。

1. 最初から商用可・SOHO可の物件に絞って探す

時間はかかりますが、条件の整った場所が見つかれば、一番自由に自分の店を作れます。SOHO可の場合は、上の6項目を特に丁寧に確認してください。

向いている人: すでに固定のお客様がいて、場所さえあればすぐ回る人

2. 面貸しやシェアサロンでお客様を付けながら、物件探しを続ける

席を借りて営業しながら、良い物件が出るのを待つ形です。売上とお客様を積み上げながら探せるので、焦って条件の悪い部屋に決めずに済みます。

向いている人: 自分の店を持ちたい気持ちは固いが、今すぐの物件が見つからない人

3. 最初から面貸しやシェアサロンで開業する

家賃・敷金・内装の初期費用がかからず、固定費を抑えて始められます。設備が揃った場所を使えるので、準備の期間も短くて済みます。

向いている人: まずは小さく始めたい人、副業や育児と両立したい人、ブランクからの復帰の人

ネイルは場所を持たずに始められる仕事です。固定の場所を持たずにスタートするのも、十分にありな選択です。面貸しとシェアサロンの違いは面貸し・シェアサロン・レンタルサロン・業務委託の違いは?、席の探し方は面貸しの席はどこで探す?で解説しています。

どの進め方でも必要な準備

よくある質問

賃貸の自宅でネイルサロンを開業してもいいですか?

住居用の契約では、お客様を迎える営業は原則として想定されていません。貸主の了承なく始めると、契約違反として退去や損害の請求を受けることがあり得ます。開業するなら商用可・SOHO可の物件で条件を確認するか、まず面貸しやシェアサロンで場所を持たずに始める方法もあります。

SOHO可の物件でネイルサロンを営業できますか?

物件の契約次第です。SOHO可は住居兼事務所としての利用を認めるもので、お客様が出入りする店舗営業まで認めているとは限りません。「不特定多数の出入りは不可」という条件が付いていることも多いため、貸主や管理会社に、サロン営業ができるかを確認してください。

ネイルサロンの開業に保健所への届出は必要ですか?

ネイル施術のみを行う場合、保健所への届出は不要です。ネイルは美容師法上の「美容行為」の対象外とされているためです。ただし、まつ毛エクステなどを行う場合は美容師免許と美容所登録が別途必要になります。

商用可の部屋が見つからないときはどうすればいいですか?

面貸しやシェアサロンで営業を始めながら、物件探しを続ける方法があります。売上とお客様を積み上げながら探せるので、焦って条件の合わない部屋に決めずに済みます。場所を持たずにそのまま続ける働き方も選べます。

自分のサロンを持つ前に、面貸しから始めるメリットは何ですか?

家賃・敷金・内装などの初期費用がかからず、固定費を抑えて始められることです。設備の揃った場所を使えるので準備期間も短く、実際に営業しながら、自分に合うエリアやお客様の層を確かめてから物件を選べます。


SHARENAIL(シェアネイル)は、席を借りたいネイリストと、席を貸したいネイルサロンをつなぐ全国対応の面貸しマッチングサービス。ネイリストの利用はずっと無料。サロンの掲載も無料です。